研究概要 |
本研究では,アクロマティック位相シフターの原理に基づく2次元OCTの高感度かつ実時間の目的とする。アクロマティック位相シフターとは、偏光子と波長板の組み合わせることにより、すべての波長において同じ量の位相シフトを与えることができる方法である。本手法では,位相の異なる4つの干渉縞を同時に検出し、その強度の変化から内部の構造的な変化を、また位相の変化からは血流のドップラーシフト量や生体内部のわずかな動きの違いをリアルタイムに可視化することを検討する。本年度は、高感度のためのワイドダイナミックレンジカメラの評価を行った。2次元検出器に130dBのダイナミックレンジを有する対数変換型CMOSイメージセンサを用い、最小検出感度を測定した。その結果、88dBであり、一般的なアナログCCDカメラの場合の68dBに比べ、20dBの改善が確認できた。またアナログCCDカメラの場合、光量を入れすぎるとカメラの飽和による計測不可能な状態になってしまうが、ワイドダイナミックレンジカメラの場合、そのようなことは無かった。高輝度な光源があれば、感度の向上が期待できる。なおこの成果は、日本光学会年次学術講演会Optics Japan2005にて発表した。
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