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2006 年度 実績報告書

心筋シミュレータを用いた定量的な薬効予測システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17700393
研究機関京都大学

研究代表者

皿井 伸明  京都大学, 医学研究科, 科学技術振興講師 (00335259)

キーワード心筋細胞モデル / 薬物作用 / simBio / 生体シミュレーション / 最適化
研究概要

今年度は、薬物投与による活動電位波形変化から推測した結果を用いて薬物の危険度を判定する手法を特許として出願した。これは、ある薬物が投与されているときに心筋が何らかの病的状態にさらされると不整脈を発生する危険度が悪化するか否か、悪化するならばどれくらいかを数値化する仕組みである。これにより、薬剤作用が心筋細胞の恒常性に与える影響を可視化して示すことが可能となった。
薬剤により修飾を受けたパラメータを求める過程で必要な計算を1台のパーソナルコンピュータで実行すると1週間にわたる計算が必要であった。そこで、パラメータ最適化に用いる評価関数を改訂し、分散計算システムと統合した。PCクラスタへと計算環境がスケールアップされたことで、より簡便かつ短時間で感度解析を実施できるシステムが整備できた。
昨年度は遅延整流性カリウムチャネルの遅い成分だけに作用する薬剤による活動電位変化を正しく判定し得ることを確認したので、本年度はカルシウムチャネルを抑制するニフェジピンによる活動電位変化を評価することを目標に評価関数、評価手法に改良を加えた。と同時に、より多種の薬剤作用結果データを入手し、システムの検証を行うため、これまで本研究に主に携わってこなかった研究者でも使用出来る形に生体パラメータ最適化システムをパッケージ化し、配布した。
心筋シミュレータの実行環境であるsimBioについては、以前の数理モデルをより発展させたモデルを作成したとき、それら2つのモデル間の差分だけを記述する方法を開発し、公開した。これにより論文の焦点をより明確にプログラム上も示すことができるようになった。そして論文公開と同時に図を生成できるプログラムも公開した。また、バージョン0.3.02としてインターネットで公開するとともに、simBioの使い方と心筋細胞数理モデルである京都モデルの作成法を解説した書籍を出版できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Ionic Mechanisms of Cardiac Cell Swelling Induced by Blocking Na+/K+ Pump As Revealed by Experiments and2006

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi A, Tatsumi S, Sarai N, Terashima K, Matsuoka S, Noma A
    • 雑誌名

      The Journal of General Physiology 128・5

      ページ: 495-507

  • [雑誌論文] A Simulation Study to Rescue the Na+/Ca2+ Exchanger Knockout Mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Sarai N, Kobayashi T, Matsuoka S, Noma A
    • 雑誌名

      The Journal of Physiological Sciences 56・3

      ページ: 211-217

  • [雑誌論文] Modeling Cl- homeostasis and volume regulation of the cardiac cell.2006

    • 著者名/発表者名
      Terashima K, Takeuchi A, Sarai N, Matsuoka S, Shim EB, Leem CH
    • 雑誌名

      Philosophical Transactions of Royal Society Series A on 'Biomathematical Modelling' 364・1842

      ページ: 1245-1265

  • [雑誌論文] Kyotoモデル-心筋細胞の包括的数理モデル2006

    • 著者名/発表者名
      皿井伸明, 野間昭典
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 217

      ページ: 616-622

  • [図書] simBio 心筋細胞のコンピュータ・シミュレーション2006

    • 著者名/発表者名
      皿井伸明 編著
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      京都通信社
  • [産業財産権] 不整脈危険性評価装置、不整脈危険性評価システム、およびプログラム2006

    • 発明者名
      皿井伸明, 野間昭典, 朝
    • 権利者名
      京都大学, 日本新薬
    • 産業財産権番号
      特願2006-271601
    • 出願年月日
      2006-10-03

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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