1.マイクロ構造体を作製するための条件最適化 パーソナルコンピュータ(PC)画面上でデザインしたマイクロパターンの白黒画像データを液晶プロジェクタに転送し、パターン光をサンプルステージに縮小投影して、可視光によるウレタンアクリレートの重合を行った。走査型電子顕微鏡や反射型レーザー共焦点顕微鏡で観察したところ、PC画面に描画したとおりの形状で、高アスペクト比の架橋ウレタンアクリレート製マイクロ構造体が得られることを確認した。 2.マイクロ構造体をマスターとしたポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)膜の作製 架橋ウレタンアクリレート製マイクロ構造体のマスター上でPDMSプレポリマーを熱硬化し、PDMSを剥離することで、PDMSスタンプを得た。これをPDMSやガラス、ポリスチレン製培養皿の上に乗せ、マイクロ流路を形成することができた。また、マスター上にPDMSプレポリマーをスピンコート、熱硬化することで、微細な穴をもつPDMS膜を作製することができた。 3.マイクロ構造体をマスターとしたPDMSスタンプの作製とマイクロパターニング PDMSスタンプとポリスチレン製培養皿でマイクロ流路を形成し、その流路内に細胞接着性タンパク質であるフィブロネクチン(FN)溶液を送液することで、表面パターニングした。その後、播種したウシ血管内皮細胞(BAEC)は、FNが吸着したドメインのみ選択的に接着・伸展した。 4.PDMSレプリカ膜の積層化法の最適化 2.で得られたPDMSスタンプおよびPDMS膜を精度よく積層化し、三次元的にマイクロ流路ネットワークを作製するための条件の最適化を今後検討していく。
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