SOD固定化法の検討:数通りのMUA-MU濃度、混合比にっいて検討したが、CVにおいてSOD固定化によるピークが確認できず、キサンチンオキシダーゼ系によるスーパーオキサイド測定においてもスーパーオキサイド生成による電流値の変化を確認できなかった。原因としては、SAMとSODとの架橋に用いたEDCでは、結合サイトを十分に確保できなかったことが考えられる。SODの立体構造から、結合サイトとして利用しやすいアミノ酸残基を予測し、SAM素材、架橋剤の組み合わせを見直すことが今後の課題である。標識SODを用いた固定化分布の解析では、蛍光標識SODを固定化した基盤を一定時間PBS中に浸漬後、蛍光顕微鏡により観測し、剥離、溶解等の影響を調べた。従来のグルタルアルデヒドを用いた固定化法では、長時間の浸漬によりSODの剥離が認められた。また、この方法は、蛍光物質の結合サイトが、EDCと競合するため、SAMを用いた固定化法では試みていない。今後は、固定化操作と競合しない蛍光物質を導入することで、固定化SODの評価法として導入できると考える。 ・検知部被覆および検知部形状の最適化:検知部被覆については、既述の通り、SOD固定化法を確立できなかったため、未着手となった。形状については、従来は円筒状の対極内に作用極を配した同軸型から、対極と作用極によりガイドワイヤを挟んだサンドイッチ型とし、先端部はワイヤにシリコンゴムなどを被覆したデバイスを考案した。このデバイスであれば、生体組織など固体対象への穿刺時の電極の損傷を防ぐことができ、カテーテルの血管挿入時に、血管内の損傷を抑えることが出来ると考える。本デバイスであれば、グルタルアルデヒドによる従来法のセンサを用いた場合でも、汎用性の向上が見込まれ、共存物質の影響の少ない系では十分に実用可能であると考える。
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