研究概要 |
1.高酸素症特有の心拍ゆらぎに関する研究 死亡胚の死亡直前に見られた一拍動ごとに心拍数が増減する現象は低酸素症に起因すると仮説を立てた。そこで、これを検証するために孵化後17日令からのニワトリ卵の心拍数を100%酸素環境で孵化するか死亡するまで連続に計測した。その結果、どの日令においても死亡した胚ではこの特異な心拍ゆらぎパターンが見られたことから,「低酸素症」に起因しているのではなく「死亡」するという事象に関連する可能性が非常に強くなった。 今後は死因による詳細なパターンの違いや,このゆらぎパターンが発現してからの治療の有効性を調べていく。 本成果は電気・情報関係学会北海道支部大会で発表した。 2.画像解析による鶏初期胚の心鼓動に関する研究 孵化開始すぐの初期胚の成長過程・心拍数変動について,カメラによる直接撮影および画像解析を試みた。心臓の初鼓動の撮影はできなかったが,孵化後約50時間から心臓や毛細血管が成長していく過程の明確な撮影に初めて成功した。 また,心臓の鼓動動画から画像処理により瞬時心拍数を算出する手法を確立した。今後は算出精度向上に向けたアルゴリズムを検討していく。 本成果は学術雑誌ならびに電気・情報関係学会北海道支部大会で発表した。
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