1.孵卵後期胚におけるニワトリ胚の自律神経活動に関する研究 回転刺激が自律神経に及ぼす影響を調べるため自律神経が成長する16日例から孵化する21日例まで毎日1時間(グループI)および2時間(グループII)の間、毎分5rpmの回転刺激を与え、その後の瞬時心拍数変動を調査した。過度の回転刺激を与えたグループIIでは心拍数レベルは落ち、ゆらぎがほとんどおきていなく、自律神経活動は交感神経活動が活発になっていた。このことは心臓機能が大きく減退し、ゆえに交感神経がほぼ最大に亢進して回復しようとしていたことを示唆する。回転刺激を受けている途中の瞬時心拍数を調査することが今後の課題として残っている。 本研究成果はベルリンの家禽生理学会および電気・情報関係学会連合支部大会にて発表した。 2.画像処理による瞬時心拍数算出精度向上に関する研究 昨年までに、ニワトリ初期胚の画像を直接CCDカメラで録画し、それを画像処理することで初期胚の瞬時心拍数を求めるシステムを完成した。これにより、これまでほとんど調査されていなかった妊娠初期に当たる初期胚の成長の様子を調べることが可能となった。今年度は画像全体を処理していた従来の方法から心室あるいは心房だけを抽出し、スムージングとsinc関数による補完を行って極めて高精度な瞬時心拍数の算出を実現した。本手法は血管や脳の成長など他の器官にも応用可能であり、それらの詳細な成長解析が待たれている。 本研究成果はベルリンの家禽生理学会および電気・情報関係学会連合支部大会にて発表した。
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