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2005 年度 実績報告書

機能性遺伝子探索のための一細胞の光単離法

研究課題

研究課題/領域番号 17700417
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

中西 淳  独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 訪問研究員 (60360608)

キーワード細胞接着 / ケージド化合物 / 自己組織化単分子膜 / 細胞回収 / 蛍光顕微鏡 / 官能基
研究概要

本研究は,基板表面に接着した細胞集団の中から,狙った一細胞を剥離・回収する手法を開発し,機能性遺伝子を探索することを目的としている.本年度は,研究者が先に開発したケージド化合物修飾基板上における,光化学反応よる基板表面の急激な親水化を利用し,あらかじめ基板上に物理吸着させたタンパク質を脱着することで,細胞を剥離する手法を検討した.一般にタンパク質は,疎水的な表面には物理吸着するが,親水的な表面に対しては吸着が弱い.この性質を考慮し,親水的なCOOH基,NH_2基,OH基,SH基を疎水性の2-ニトロベンジル基で保護した基板を作製した.ウシ血清アルブミン(BSA)を例に,光分解反応に伴うタンパク質の脱着効率を評価したところ,COOH基とNH_2基を露出する基板で顕著な脱着効率を得られることが分かった.このことから,タンパク質の脱着には,中性条件で電荷を帯びる官能基を露出する基板が適していると示唆された.続いて,これらの基板に対して,正常培地中でCOS7細胞を播種したところ,NH_2基を露出する基板で,光照射領域への強い細胞接着が観察された.したがって,NH_2基を露出する基板では,吸着させたタンパク質は効率よく脱着するものの,光照射面への細胞接着性が強いために,光回収に適していないことが判明した.以上のように,細胞の光回収の実現には,タンパク質の脱着効率を向上すると同時に,官能基を露出した基板表面への細胞接着性も考慮する必要があり,それらはともに表面官能基の種類に大きく依存することが分かった.これらを踏まえると,より親水的で,強酸の官能基であるSO_3H基は,タンパク質の脱着および細胞の剥離に適していると予想される.今後は,新たにSO_3H基を2-ニトロベンジル基で保護した作製し,同基板上で光による細胞の剥離を評価する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ケージド細胞培養基板を用いる細胞アレイ作製2006

    • 著者名/発表者名
      宝田 徹
    • 雑誌名

      バイオインダストリー 23・1

      ページ: 6-11

  • [雑誌論文] 異なる細胞を望みの位置に配置する2005

    • 著者名/発表者名
      中西 淳
    • 雑誌名

      Bionics 2・5

      ページ: 60-61

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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