研究課題
1)まず、ダール食塩感受性ラットを用いた高血圧性拡張期心不全モデルを用いて、Diastolic CK法による拡張動態異常の持つ意味を検討している。弛緩能の指標であるtime constant of LV relaxation (Tau)と心臓局所が拡張期早期30%時間以内に膨らんだ面積を、全拡張期時間で変化した面積の%表示(CK-DI)には有意な相関を認めたため、CK-DIは少なくとも拡張機能のうち弛緩能を表すことを明らかにした。結果は本年5月にソウルで行われる国際エコー学会で報告する予定である。2)平行して対象症例の収集、データベース化に取り組み、「拡張期心不全の治療法確立のための大規模臨床試験」J-DHF」の診断基準に乗っ取り拡張期心不全と診断された症例約80症例、疫学的に拡張機能障害・拡張期心不全を高率に発症することが知られている軽度腎機能障害症例約70例、糖尿病症例約110例、さらに心疾患が指摘されていない症例約50症例をデータベース化した。これらの一部にDiastolic CK法を施行し、今まで確立されている拡張機能検査法との比較を行っている。来期には統計的に解析に耐える症例の収集が可能になると考える。3)また、拡張期心不全と診断され、かつ心不全入院歴を持つ症例の一部、acetete用いたFDGによる心臓PET検査を施行し、心筋代謝異常を検討している。その異常所見を呈している部分とDiastolic CKでの異常部との比較を行っている。
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