研究概要 |
昨年度は健常者に対してCommunity Integration Questionnaireの内容を含めたアンケート調査を実施し,790人分のデータを収集したので,今年度は比較対象としてTBI(頭部外傷)患者にほぼ同様のアンケート調査を実施した.データの収集に当たっては,三重県松阪市の松阪中央総合病院リハビリテーション科の協力を得られることになったので,定期的に松阪市へ通い,外来患者データ総数50人を目標としてデータの収集を行った.結果として54名の患者データを集めることができ,順次解析を開始した.昨年度収集した健常者のデータ解析も同時進行で行い,現在は健常者のみのデータを年代別にまとめて標準値を算出して論文を作成中である.CIQのスコアには,年代別の特徴が如実に表れており,興味ある結果を得ることができた.また,今年度の第41回作業療法学術集会(鹿児島)にもエントリーをして演題発表をする予定となっている.データの収集は今年度で全て終了することができたので,今後は健常者データのさらに詳細な解析をすすめ,さまざまな切り口からの考察をして順次発表を行う予定である.またTBI患者のデータと健常者のデータを比較することで,両者の差異について考察を加え,既存の評価法との相関を考慮に入れて日本国内でCIQを使用することの妥当性について検証したい.
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