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2006 年度 実績報告書

身体運動制御能力向上に着目した高齢者のための運動プログラム開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17700483
研究機関横浜薬科大学

研究代表者

八田 有洋  横浜薬科大学, 薬学部, 助教授 (20312837)

キーワード高齢者 / 運動習慣 / 事象関連電位P300 / 反応時間 / 認知機能 / 運動制御能力 / 運動プログラム
研究概要

適度な運動の継続が高齢者の身体運動制御能力に及ぼす影響について,脳内情報処理過程の認知機能に関しては事象関連電位P300を用いて,行動指標として反応時間と誤反応(エラー)率を用いて縦断的研究を行った.被験者は体操教室に参加して10ヶ月間定期的に運動を継続している男性10名,女性10名の計20名(平均年齢68.1±0.8歳)であった.体操教室の運動内容は専門知識と経験が豊富なインストラクターの指導のもと,音楽に合わせて上肢と下肢をリズムよく動かしながら前後左右に移動する全身性の有酸素運動と低負荷筋力トレーニングであり,その強度は最大心拍数の約60%程度であった.環境条件や参加者の体調などを考慮して休憩と水分補給を行っているため運動中の体調不良や事故などの発生は無かった.実験に際し,研究目的と実験趣旨を説明してすべての被験者より実験参加の同意を得た.P300と反応時間の記録は体操教室実施前と実施10ヵ月後の2回行い,左右の人差し指への体性感覚刺激オドボール課題を用いた.被験者は椅子に座った状態で右手人差し指刺激に対して床に設置されたスイッチボタンを右足で素早く押し,左手人差し指への刺激に対しては無視して反応しないように指示された.主な結果は次のとおりである.
<結果>
1)反応時間は体操教室実施前が432ミリ秒であり,実施10ヶ月後には389ミリ秒と有意な短縮を示した.
2)認知にかかわる刺激評価時間を反映するP300潜時は体操教室実施前が375ミリ秒であり,実施10ヵ月後には355ミリ秒と有意な短縮を示した.
3)誤反応(エラー)率は体操教室実施前が2.1%であり,実施10ヵ月後には0.3%と有意な低下を示した.
<まとめ>
適度な運動を継続することによって高齢者の身体運動制御能力が向上するだけでなく,認知にかかわる刺激評価時間も短縮することが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 脳「事象関連電位P300の測定法とその可塑性について」2006

    • 著者名/発表者名
      八田有洋, 西平賀昭
    • 雑誌名

      トレーニング科学 18・3

      ページ: 195-199

  • [雑誌論文] 運動時間の違いによるP300の変動2006

    • 著者名/発表者名
      東浦拓郎, 西平賀昭, 八田有洋他2名
    • 雑誌名

      臨床神経生理学 34・2

      ページ: 82-88

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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