| 研究概要 |
小学生児童の疾走能力の開発に役立つ動き作りを考案するため,小学生1〜6年生の男子児童における疾走動作とスキップおよびその場ジャンプ動作をフォースプラットフォーム上で行なわせ,同時にハイスピードカメラで撮影し,それぞれの運動における下肢関節のキネティクス的分析を行ない,疾走能力の向上と動作間の関連性について検討した.疾走動作では,学年が上がるにつれて,また疾走速度が大きいものほど,地面反力鉛直成分の立ち上がりが早くなり,短い時間で大きな力積を得ていたことがわかった.疾走動作とスキップおよびジャンプ動作との間には接地時間において有意な相関がみられた.下肢関節についてみると,疾走動作における支持期の足関節トルクの立ち上がり,および回復期の膝関節,股関節トルクの最大値が疾走速度と有意な相関を示した.疾走動作とスキップおよびジャンプ動作の下肢キネティクスとの関連については,さらに詳細に検討する必要がある.本実験の結果から,疾走動作とスキップおよびジャンプ動作との間に関連性がみられ,スキップやジャンプ動作の一部を強調した動き作りを考案していくことが疾走動作の開発に役立つ可能性が示唆された.しかし,児童によっては全体の傾向とは異なるものもおり,個々に応じた動き作りに役立つ資料を作成する必要があることも示唆された.次年度では,下肢関節のキネティクスをさらに詳細に検討し,新たな動き作り運動の考案とそれらの有用性について検討する予定である.
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