研究概要 |
昨年度のPOMS-A日本語版試案検討結果について更に解析を重ね、心理学専門分野学会において研究発表を行った。また、POMS-A日本語版試案は開発が途中段階ということもあり、今までの研究成果を英文論文にて発表した。 同時に日本語版試案(2)を並行して再作成した。原版24項目を直訳・意訳した質問項目では感情の6尺度の構築が不十分で、試案(2)は、原版24項目を検討する段階で絞られた42項目をはじめ、昨年度までの研究結果で質問項目の再翻訳が必要と示唆された項目も踏まえ、62項目の(1)単語のみの表現、(2)主語+述語形式の表現、の2種類を作成した。 次に、この試案(2)の予備調査実施に向けての準備・被験者依頼に少々期間を費やした。最終的に某市教育委員会のご協力を得て、年度末に予備調査を公立小学校・中学校にて施行する運びとなった。予備調査前に、試案(2)について心理学専門家、小学校教諭、某市教育委員会の担当者らの意見を多く頂き検討を重ねた。その結果、62項目では質問数が多く回答時間が嵩んで後半の回答の正確さを欠くことが懸念され、この試案(2)は(A)と(B)の2種類に分けて施行することとした。また、常用漢字のみの使用(ふりがなつき)で理解度が高いと考えられる(2)の主語+述語形式の表現に決定した。 62項目を2案に分けるため、6尺度に1項目ずつ因子的にも安定した因子負荷量の高かった代表的項目を選び共通項目とし、残りの項目を6尺度ごとに半分に分けて、33項目の2系列(A, B)を作り実施した。それに加えて、スポーツ活動、就寝時間、朝食摂取についての調査も行った。回収は小学校(A)案82名、小学校(B)案30名、中学校(A)案72名、中学校(B)案70名、計254名であった。現在、この結果を解析中である。この報告は次年度、心理学専門分野学会もしくは関連分野学会で研究発表し、誌上発表も行う予定である。
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