研究概要 |
本研究の目的は以下の3点である.1)心理的スキルとパフォーマンス間の因果構造を明らかにし,新しいモデルを構築する.2)スポーツ競技種目を類型化し(ターゲットスポーツ、ネットスポーツなど),心理的スキルとパフォーマンス間の因果構造の違いを明らかにする.3)スポーツ種目特性に応じた介入方法を新しく構築したモデルの因果構造をもとに検討する. 本年度は昨年度構築した因子モデルを元に2)スポーツ競技種目を類型化し(ターゲットスポーツ、ネットスポーツなど),心理的スキルとパフォーマンス間の因果構造の違いを明らかにすることを目的に横断的研究を行った.14歳から70歳までの競技者1693名を対象に心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)および試合中の心理状態診断検査(DIPS-D.2)を実施した.今回の分析にあたり,著しくデータに欠損がみられるものや,不自然にデータが偏っているもの,DIPCA.3・DIPS-D.2両尺度に回答していないものは削除し,最終的に1109名の選手のデータを使用した.主な結果は以下のように要約される. 1.競技種目類型別因果モデルの検討:昨年度構築した基本モデルを元に競技種目類型別に標準偏回帰係数の差異を検討した.その結果,競技種目類型別に違いが認められた. 平成19年度はこの結果を踏まえ,メンタルトレーニングの介入を行い,因果モデルを実証的に検証する.
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