就学前の子どもの多くは、教育主体の幼稚園あるいは養護と教育が一体とされる保育所といった、同年代にも関わらず異なる環境で過ごしている。本研究は、幼稚園と保育所に通う幼児の日常の身体活動量を、妥当性の検討を行った三次元加速度計により評価し、保育環境が幼児の身体活動量と関連があるか検討を行った。さらに、我が国において広く用いられる二次元加速度計の妥当性、および日常の歩数についても検討を行った。 1)三次元加速度計の妥当性の検討を行った結果、一次元加速度計より、特にボール投げのような活動も評価できることが明らかとなった。 2)東京都および神奈川県内の幼稚園および保育所(計8園)において、身体活動量調査を行った。本研究は、桜美林大学研究倫理委員会の許可を得て実施した。データは、原則として木曜の登園後に、用意したベルトに2つの加速度計を装着し、1週間後の同じ曜日の登園後に回収した。水泳や着替え、風呂などやむを得ない場合を除いて装着するように依頼し、装着しなかった時間および睡眠時間について、記録をつけてもらった。1日2時間以上装着していない時間がある場合、その日のデータは削除した。平日2日以上、休日1日以上のデータが無い者は削除した。 3)幼稚園と保育所の中強度以上の活動時間や歩数は、前者において高い傾向が見られた。高強度活動および平均の身体活動レベルに大きな差みられなかった。睡眠時間は、前者において短い傾向が見られた。このように、幼稚園と保育所は異なる環境にあり、睡眠時間の長い保育所では、中強度以上の活動が少なくなることが明らかとなった。
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