65歳から85歳までの健常高齢者に対して実施する体力テスト、健康調査および成長期からの生活状況把握のための調査について先行研究を踏まえた上で検討してきた。その結果、体力テスト項目については安全性を第一に配慮し、妥当性、信頼性、客観性の高いと考えられる15項目を選択し、採用することとした。健康調査については9つの健康領域を代表すると思われる質問を24項目選択し、本研究における高齢者の健康度を把握するための健康調査票を作成した。成長期から現在(高齢期)までの生活状況を把握するための調査については、体力や健康度に影響を及ぼすと考えられる計84の質問項目を選択し、アンケートを作成した。 また、実際に測定および調査を実施するにあたり、本研究の趣旨に賛同し協力いただくよう、高齢者関連のスポーツ施設、体操教室、健康センターおよび公共施設などに依頼をした。その結果、現在までにおおよそ計500名ほどの被験者を確保することができた。 今後は、上記の体力テスト、健康調査および生活状況調査を随時実施し、高齢者の現状を把握すると共に可能な限りの被験者に対して毎年1回体力テストを実施し、縦断的なデータを確保し、加齢に伴う体力・健康度低下(年次変化量)に及ぼす生活要因を明らかにする。
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