本研究は、外来種であるブラックバスについて、新規の水産資源としての活用方法を見出すことを目的としており、この魚の一般的な栄養評価とその人工消化物等から高血圧予防に有効な成分を分離・精製することを目標として研究を進めている。研究実施計画のうち、平成17年度の研究期間内に実施できた内容は次の通りであり、次年度も引き続き研究を進める。 1)サンプル入手ルートの安定化 地元の一般人から持ち込まれたサンプルを用いて予備実験を行っていたが、本格的に研究を進める上でサンプルを確保するために、供給ルートを調査、開拓した。尚、供給元は滋賀県漁業共同組合連合会から冷凍魚を輸送してもらうという形態を取ることにした。実際に供給されたサンプルについては、保存状態にも問題なく実験に供することができることを確認した。 2)食材としての一般成分分析 滋賀県漁業共同組合連合会から供給されるブラックバスは、オオクチバスのみであることが判明し、この魚に含まれる一般成分含量の季節変動について調査を進めている。現時点では秋季の各データを収集、解析した段階にあるが、脂質と炭水化物について信頼性の点で疑問の生じる分析値であったため、分析操作の再検討が必要であると判断し、現在改良法を検討中である。
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