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2007 年度 実績報告書

大腸疾病予防を目指した窒素供給による大腸発酵の最適化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17700576
研究機関名寄市立大学

研究代表者

西村 直道  名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (10341679)

キーワード難消化性タンパク質 / 大腸発酵 / 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌叢 / 酪酸 / 窒素供給 / 大豆タンパク質 / 大腸粘
研究概要

昨年度までの研究で大豆難消化性タンパク質(SRP)をペクチンと同時に投与することで大腸内容物中の炭素(C)/窒素(N)比を変えた場合,短鎖脂肪酸生成(特に酪酸生成)が亢進することを明らかにした。今年度の研究では,大腸に流入するC/N比を変動させたときの大腸発酵パタンの変動に対し,大腸内細菌叢のパタン変動が関与している可能性を検証した。そのためにSRPの投与量を変動させたときの大腸発酵の変動と大腸内細菌叢パタンの変動を調べた。また,これらの変動に伴う大腸粘膜組織に与える影響を検討した。
コントロール食,5%ペクチン(PE)食,PE+2。5%SRP(PE+SRP)食をラットに与え,大腸内細菌叢,大腸発酵,大腸粘膜に対する作用を調べた。これまで同様,PE食を与えたラットに比べ,PE+SRP食を与えたラットで盲腸内短鎖脂肪酸濃度は増加し,特に酪酸及びプロピオン酸濃度は有意に増加した。16SrRNA遺伝子のPCR-DGGE解析より,コントロール食ラットに比べ大腸内細菌叢パタンはPE食ラットで異なる細菌叢パタンを示したが,PE+SRP食ラットでさらに新たな細菌叢パタンの形成はみられなかった。しかし,PE+SRP食ラットでのみClostridium methylpentosum sp.が検出された。Clostridium methylpentosumはペクチンに結合しているラムノースを資化し,プロピオン酸を生成することが知られている。大腸粘膜増殖能はPE+SRP食ラットでコントロール食ラットよりも亢進している傾向がみられた。以上より,ペクチンと同時にSRPを投与することで,Clostridium methylpentosum sp。の増殖が促進し,酪酸及びプロピオン酸優勢の大腸発酵パタンを形成することが明らかとなった。また,これに伴い大腸粘膜の増殖を促進することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 食物繊維およびタウリンの血中コレステロール低下機構に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      西村 直道
    • 雑誌名

      日本栄養・食糧学会誌 61

      ページ: 11-19

    • 査読あり
  • [学会発表] 大豆難消化性タンパク質を用い窒素供給の大腸内ペクチン発酵に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      西村 直道, 櫻井 麻衣子, 平譯 喜, 坂井 彩, 佐藤 皆子, 山本 達朗, 太田 徹
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2007-05-19
  • [図書] はじめてみよう生化学実験2008

    • 著者名/発表者名
      山本 克博, 小原 効, 金澤 康子, 佐々木 胤則, 西村 直道, 水野 佑亮
    • 出版者
      三共出版
  • [図書] メタボリック症候群と栄養, 第8章第5項メタボリック症候群と食品機能-高脂血症関連2007

    • 著者名/発表者名
      西村 直道
    • 出版者
      幸書房

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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