1.学校教育の限られた時間内で、子どもたちの食生活の自立を支援する方法の一つとして、電子レンジを用いた教材開発の検討を行った。電子レンジは比較的安全な調理器具であり、家庭での普及率は高いが、教育現場の現状はよくわからない。そこで、徳島県内の学校における電子レンジの普及率、活用状況等を調査した。その結果、調査した小中高等学校では、電子レンジの普及率は70%以上であり、電子レンジ調理に興味がある現職教員も比較的多かった。さらに、実際に電子レンジ調理を実践している学校もあった。 2.日韓初等教育の食物領域における電子レンジ活用の比較を行った。その結果、日本の教科書(家庭科)では、電子レシジの記載はなく、一方、韓国の教科書(実科)では調理に関する実習・実験において、電子レンジを積極的に用いていることが判明した。 3.子どもたちが興味・関心を持ちやすい「おやつ作り」について検討を行った。電子レンジを用いた教材例として、スポンジケーキ、羊羹、スウィートポテト(地域特産物「鳴門金時」を利用)について、基礎的条件(材料の分量、配合時間等)の検討及び従来の調理法との比較を行った。その結果、電子レンジを用いても従来の調理法と差はほとんどなく、調理時間の短縮が可能となった。さらに、本教材の一部を教育実践し、その効果を示すことができた。 4.食生活に関連する微生物を用いた教材開発を検討する。現在のところ、発酵微生物及び腐敗微生物を用いて、実際子どもたちが目でみて微生物を身近に感じ取ることができる教材の開発を予定している。 以上、本年度の結果、電子レンジを用いた教材化の可能性が示された。
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