研究概要 |
膨大な数のWebドキュメント中から有用な教材をいかに検索するかは,重要な課題である.これに対し,既存手法では,特定の授業専用の教材や手作業による分類等の処理済の教材など,検索対象が限定される.一方,実際の書籍等ドキュメントの探索では,ユーザ(学習者)間で,様々な主観的知識が共有され,その主観性が近い他のユーザからの「この本は役に立った」という形のごく抽象的な表現.伝達による情報を手がかりとして,有用なドキュメントの発見に至ることが多い.本研究では,学習者間での主観的知識の表現・共有を反映可能な教材検索手法の開発を目的とした. 目的達成のために,主観的な要素を含む学習者.教材間関係の表現手法,それらに基づいた上記検索手法とその応用システムの開発を目指す.18年度は主に,学習目的や視点等の異なる複数のユーザ間で,教材とその間の意味的関係を共有(融合)する手法,および,教材の管理・共有から,教材間関係の多角的な視点での提示,有用な教材の発見(教材検索)までを支援するシステムの開発に取り組んだ.ここでは,可能な限り広い意味での創造的活動を支援対象と考える立場から,特徴の異なるいくつかの活動をとり上げ,Webドキュメントに加え,それら知的活動の過程で生成されるメモや成果物,ユーザ間のやり取りなどの知識情報を広義の教材として捉える方針のもと,以下の作業を実施した. ・教材を「個々のユーザ毎に管理」/「複数のユーザ間で共有」するそれぞれの場合について,教材管理・検索上の特徴とその違い,必要な支援の考察・検討 ・特徴の異なるいくつかの創造的活動のプロセスと対応する教材管理・検索上の「視点」の検討 ・知識情報間関係中に潜在する「話題(学習目的)」とその抽出手法,それに対応した教材間関係の共有(融合)手法の検討 ・研究活動やプログラミング教育など具体的な知的活動を対象とした支援システムの設計・開発
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