研究概要 |
本研究は受講中の生徒から生体情報(覚醒度)を抽出しておき,各生徒が復習を行う際の支援機能に活用している.例えば,キーワード検索の結果として,その生徒が居眠りしていた時間帯の講義スライドを優先的に提示したり,覚醒度に応じて講義を収録したビデオの再生速度を変えるなどの支援を行う.また,覚醒度のインディケータを提示することにより,各学習者が授業中に理解できなかった箇所または聞き逃した箇所を優先的に復習するための支援システムを構築してきた(今年度2本の論文が採録済み).これらの機能をうまく活用すれば,必要な部分だけを集中的に学習できるため,生徒は効率的な復習を行える.しかしながら,以上の支援機能は,全ての生徒にとって有効であるわけではない.例えば授業を欠席してしまった生徒は,検索機能を使うにしても,そもそも何を検索すればよいのか分からないといった問題が挙げられる.つまり,検索機能を用いるためには,講義の筋道を理解している必要があるため,通しで聴いた後でないとその機能は使い難い.この問題に対し,講義の重要語を抽出し生徒に示すことで,講義の効率的な理解を助ける.また,既存のキーワード検索は検索語に関連するスライドとその講義ビデオが個々に検索されるため,その検索結果を閲覧しても理解しがたいケースが多々ある.なぜならば,1枚の講義スライド内で,あるトピックについての説明が完結しているわけではなく,複数のスライドに亘って説明がなされているからである.従って,検索語に関連するスライドとそれに関わるスライド群をまとめて抽出する講義教材検索システムを提案する.上記の研究を進めるために,本年度は重要語抽出アルゴリズムの提案とシステムへの実装を中心に行った.評価実験より平均75%以上の適合率を確認することができた.来年度は,抽出された重要語を利用したスライド群抽出システムについて構築を行う予定である.
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