研究概要 |
本研究は受講中の生徒から生体情報(覚醒度)を取得し, それらを講義の復習を行うための支援機能に活用している. 例えば, キーワード検索の結果として, その生徒が居眠りしたり, 聞き逃した時間帯の講義スライドを優先的に提示し, 覚醒度に応じて講義を収録したビデオの再生速度を変えるなどの支援を行うことで効率的な復習の支援を行ってきた. これらの機能をうまく活用すれば, 復習に必要な部分だけを集中的に学習できるため, 生徒は効率的に復習を行える. しかしながら, 上記の支援機能は, 全ての生徒にとって有効であるわけではない. 例えば授業を欠席してしまった生徒は, 検索機能を使うにしても, そもそも何を検索すればよいのか分からないといった問題が挙げられる. つまり, 検索機能を用いるためには, 講義の筋道を理解している必要があるため, 通しで聴いた後でないとその機能は使い難い. この問題に対し, 講義の重要語を抽出し生徒に示すことで, 講義の効率的な理解を助ける. 今年度は生徒から実際に取得した検索情報をもとに重要語を抽出し, 評価実験により高い精度の結果を得ることができた. また, 昨年度までは既存の教材検索手法とは異なり, 覚醒度の低い時間帯を含む教材を優先的に表示する検索システムを構築したが, 一般的な検索システムは検索語を含むスライドとそれに付随する講義ビデオが関連無く羅列されるだけであるため, 検索結果を閲覧しても理解が困難なケースがしばしばある.なぜならば, 1枚の講義スライドはそれだけであるトピックについての説明が完結しているわけではなく, 複数のスライドに亘って説明がなされているため, スライドに検索語を含むからといって関連の低いスライド群を表示しても内容に一貫性がないからである.そのため, 検索語に関連する重要なスライドとそれに関連するスライド群を抽出する講義教材検索システムを構築した.本年度は雑誌論文2本と学会発表3本を研究成果として発表した.
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