前年度(平成17年4月〜平成18年3月31日)においては、(1)小型コンピュータに接続する駆動系、照明・点灯系ならびにセンサー系などの部品について教育環境に適した素材を策定、(2)基本的なサンプルプログラムの作成を行った。また大学生を主体に、(3)造形の補助ならびに記録・評価をするためのスタッフの育成を行った。 (1)教材としての各部品の素材策定 部品は、プログラムを実行するコンピュータおよび電源供給部、モータ、LED、センサー(光センサー)、スイッチを用意した。また、躯体部分の素材には主に発泡スチール(スタイロフォーム)を用いた。製作の対象者は、工学的知識・経験をあまり持たない児童、生徒、学生を対象とした。そのため、できる限り回路設計などはさけ、直感的にセンサーと駆動、発光などの部品が組み立てられるように規格化した。また、スチロールによる躯体製作を行うことによって、有機的なフォルムを持った作品を直感的に制作することが可能になった。 (2)基本的なプログラムの作成 制御の基本姿勢として、ヒトを心地よくさせる動作の発見、ヒトの挙動を感知できるインタフェースのデザイン、時間の経過による動作の表現を掲げた。その上で、シーケンシャルな思考を促すことのできるプログラムを用意した。 (3)造形補助員ならびに記録員の育成 感性的な造形能力と、理論的なプログラミング能力の育成に重点を置き、それぞれの能力を補助するサポートスタッフを育成した。具体的には、大学内での実習授業において、学生を造形スタッフとプログラミングスタッフに振り分け、下級生の製作サポートを行わせた。また、教育評価に必要な記録を静止画および動画で細密に撮るためのスタッフ育成を行った。
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