ビデオ・デジタルカメラ・スキャナでの素材取り込みを中心課題ととらえ、素材に埋め込む画像タグ・音声タグの仕様検討をおこなった。基礎実験の結果、動画・静止画いずれにおいてもQRコードのI型シンボル(数字・英数字モード)を素材に埋め込む方式で問題ないことが確認できた。 4月〜5月に画像タグ、音声タグについてタグに埋め込む情報の量・形式について調査・検討を行った。素材管理のために埋め込む主な情報は「科目番号・個人番号・講義室番号・現在時刻」といった情報であり、これらはいずれも英数字8桁〜10数桁と比較的少ない記号数で表現可能である。その結果、画像タグはQRコード、音声タグはDTMF音(プッシュ電話のパルス音)を用いる方式が有望との結論を得た。 6月〜12月にかけては画像タグ発行ソフト、タグ読取りソフトの基礎開発を行い、タグ評価実験環境の構築を行った。本学の授業支援システムにQRコード発行機能を追加実装し、科目番号・教員番号・講義室番号・現在時刻の各タグが発行可能となった。また、撮影された静止画素材中のQRコードの読み取り・位置情報取得も一括処理が可能となった。 1月〜2月にかけて実際の業務場面でのタグ撮影実験を行い、QRコードは素材管理用の埋め込みタグとして十分に使えるとの結論を得た。講義撮影に利用している機材を用いて評価用タグの撮影実験を行った結果、プロジェクターに投影されたQRコード・配布資料に印刷されたQRコード・液晶画面に表示されたQRコードのいずれも支障なく読み取れることを確認済みである。 I型シンボル(21x21モジュール)の撮影実験では、市販のDVカメラで撮影したNTSC解像度(720x480)の画像でも、シンボルを画面内に150x150程度の大きさで映し込めば良好にシンボル情報を読み取れることを確認した。但し、撮影条件によってタグの検出に要する時間が数十ms〜数秒と幅があり、動画像からQRコードを効率よく検出するには撮影条件の調整・画像補正についても検討を要することが分かった。
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