●文化財情報標準の構築 本年度は、昨年度までに設計を終えていた文化財情報標準に準拠した文化遺産の各種情報について、その標準構築と実装を行った。地理情報標準へのオリジナル応用スキーマでの対応、地理情報標準に準拠したメタデータの利用、地理情報標準に準拠しないオリジナル規格の3種類の標準構築と検討を行い、具体レベルでは地理情報標準に準拠したメタデータを利用したDBと、完全なオリジナル規格による実装とをおこなった。今後はこの2軸で情報収集を進める。 ●入力インターフェイスの構築 本年度は、Webブラウザを通じた入力インターフェイス(アプリケーション)を実装した。これは従来の文化財情報の位置情報が紙ベースであることを講処理、これをスキャンしてマップをトレースすることで標準化された空間情報を属性データに付加できる構造である。現在はこのモジュールに幾何補正プログラムを援用しているが、将来的にはGoogle EarthなどのAPIにより、さらにユーザビリティーが高まるよう進める。 ●空間現象分析モジュールの開発 空間分析として、エージェントシミュレーションを取り込んだ、文化遺産立地・分布の解析をアプリケーション化した。先史時代集落の立地から生態社会学的な人ロモデルを適用し、これにエージェントのルールをパラメータ化した実装を行った。環境変遷と生態パラメータの推移を読み取ることが出来た。
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