研究概要 |
本年度は,移流環境下にある生態系モデル解析のための基礎的計算手法の検証と確立を行った.各粒子が簡単な相互作用を及ぼす環境モデルとして粒子法に古典的ライフゲームを取り入れる生態系シミュレーションプログラムの開発を行い,移流によるライフゲームの世代交代の変化について調べた.また,相互作用が複雑化したときのS-system方程式の収束性の数値検証を固定化酵素反応における最大反応速度とミカエリス定数の決定問題を例に検証し,その成果は"An effective method to increase solvability in biochemical systems using S-system"として,Mathematical Biosciencesに受理済みである.また,大規模系への適用を可能とするため,メモリ効率を上げた3次元粒子法の開発を完了し,単体計算機での大幅なスケールアップを行うことができた.同時にMPIによる並列化を行い.現状30%程度の時間短縮が可能となった.さらなる並列化を推進し,並列化率70%以上,100万粒子数程度のシミュレーション技法の確立を目指す予定である.
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