• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

大気化学輸送モデルと結合したインバースモデルによる排出源分布の推定手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17710012
研究機関京都大学

研究代表者

倉田 学児  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90283506)

キーワード大気化学輸送モデル / 排出量インベントリー / インバースモデル / 大気汚染 / オゾン
研究概要

最終年度となる本年度の研究では、東アジア地域の汚染物質の排出量マップと大気化学輸送モデル(CMAQ)を用いて、光化学オキシダントや炭化水素類を対象に、膨大な観測データから排出源インベントリーを補正するキャリブレーション手法を開発した。
最初に、2004年の輸送・反応・沈着シミュレーションを実施して、その計算結果を常時観測点での連続データと比較して、モデルの再現性を確認した。また、対流圏オゾン濃度の増加に対する、大陸からの越境輸送の寄与を解析した。次に、2001年に実施されたTRACE-P航空機観測データを利用して、対流圏の一酸化炭素(CO)濃度に対する各国・各地域からの寄与解析を行うと共に、モデル計算と観測値の間の誤差を最小化するように各国・各地域の排出量のキャリブレーションを行った。
その結果、中国からの排出量は当初設定した排出量の270%、その他の東アジア地域も平均で250%程度に増加する結果となった。これは、当初の設定が年平均であったのに対して、実際の観測期間が暖房需要のある3月であった事などによる差も含まれるものの、排出係数等の過小評価も大きく寄与しているものと考えられる。また、領域境界でのバックグラウンド濃度及び日々変動するバイオマス燃焼起源の排出量についても、同時にキャリブレーションを行ったところ、バックグラウンド濃度の日々の変動幅は2倍程度と大きく、粗い全球モデルによって領域境界濃度を得る必要性が高い事も分かった。これらの一連の手法によって排出源インベントリーの精緻化に、観測データを利用する有効性が確かめられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Lagrangian model investigation of chemico-microphysical evolution of northeast Asian pollution plumes within the MBL during TRACE-P2007

    • 著者名/発表者名
      C.H. Song, K.M. Han, H.J. Cho, J. Kim, G.R. Carmichael, G. Kurata, 他3名
    • 雑誌名

      Atmospheric Environment 41

      ページ: 8932-8951

    • 査読あり
  • [学会発表] Performance evaluation of the chemical transport model for East Asia by using backward trajectory analysis2007

    • 著者名/発表者名
      Gakuji Kurata and Toshihiro Kitada
    • 学会等名
      The 10th International Conference on Atmospheric Sciences and Applications to Air Quality
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      20070514-16

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi