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2006 年度 実績報告書

環境水中の蛍光増白剤の分解に関わる環境要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17710022
研究機関滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター

研究代表者

早川 和秀  滋賀県琵琶湖, 環境科学研究センター・琵琶湖環境研究部門, 主任研究員 (80291178)

キーワード蛍光増白剤 / 紫外線 / 中間分解産物
研究概要

蛍光増白剤の光分解反応は、中間分解産物としてアルデヒドを生成するが、これについて現存量や生成量が不明である。本年は前年度からの引き続きとして、蛍光増白剤の光反応による中間分解産物についても分析し、検討を行った。また、蛍光増白剤の光分解消失量を算出するためには、室内実験のみならず、フィールドでの紫外線照射量及び照射時間を考慮する必要がある。本年は、琵琶湖の紫外線照射量を検討し、実測に基づく蛍光増白剤の分解消失量を推定することを試みた。
蛍光増白剤の中間分解産物は、実験室内の光分解実験で計7つの物質が液体クロマトグラフィー分析により確認された。そのうちの4つは吸光スペクトル、照射時の生成量変化を文献と照らし合わせ、蛍光増白剤の光分解による二重結合の切断から生じるアルデヒドかそれに類する物質であると考えられた。中間分解産物の生成量は、元の蛍光増白剤に対し、最大で3〜5%程度であった。それらが最大であり、さらに二次分解が進むと考えられた。
琵琶湖水中での紫外線による蛍光増白剤の光分解量を算出した。湖水及び流入河川のDSBP/DAS1比の差が光分解によるものと仮定すると、蛍光増白剤が受けた紫外線量はUV-A領域で平均49Whm^<-2>と算出され、水中での紫外線減衰をK=0.981で一定(実測に基づく)、表面から8mは常に湖水が循環するという2つの仮定をおくと、3日程度の紫外線量に相当することが明らかとなった。一方、湖水の紫外線減衰と水の循環から予測される紫外線受光量は最大20日程度と予測された。両者の差は、蛍光増白剤、特にDSBPの速やかな供給を示しており、琵琶湖では蛍光増白剤の流入と光分解が活発に起こっていることが明らかとなった。
本研究の成果を平成19年2月のアメリカ陸水海洋先端科学会議にてポスター発表を行った。また、河川水での光分解に関する研究成果をLimnology誌に論文投稿中であり、琵琶湖での光分解に関する研究成果を、現在、論文を投稿準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 紫外線における紫外線環境2007

    • 著者名/発表者名
      早川和秀
    • 雑誌名

      滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター試験研究報告 2(印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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