近年、北方森林の火災が大幅に増加し、燃焼だけでなく永久凍土の融解と森林の崩壊による温暖化効果ガスの吸収減と放出増が心配されている。また、北方森林の火災は規模が大きく、乾燥気候により同時多発するため消防活動も難しい。それゆえ現地の地域社会において、火災による財産の滅失だけでなく、避難や交通の障害による経済活動の停滞の影響が発生する。そこで、本研究では米国アラスカ州の北方林を研究対象地とし、大規模な森林火災による地域社会への経済的な影響に関してリスク評価を行う。そのために、1.リスク評価対象とすべき事象の範囲を決定し、2.リスク評価指標を構築し、3.先述の関係プロジェクトより得られる森林火災延焼予測情報をもとに将来のリスク評価を行うことを目標とする。以上の目的を踏まえ、今年度は森林火災の影響の波及範囲に関して調査と分析を行い、リスク評価にあたり考慮に入れるべき対象となる事象(endpoint)を特定するために、森林火災の影響の波及範囲については、新聞の収集や現地住民への聞き取り調査をもとに波及範囲を把握し、現地関係機関の統計等を入手することで考慮すべき火災の影響の範囲を特定のための資料収集を行い、リアルタイムなリスク評価を行うための衛星画像を用いた準実時間の森林火災検知情報を作成した。
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