グアニンの8位をブロモ化し、まずは8ブロモグアニンを合成した。その後、ナトリウムメトキシドで8メトキシグアニンを合成した。2位のアミノ基を保護し、5'位のヒドロキシ基をDMTrで保護後、アミダイト化剤を用いて、8メトキシグアニンのアミダイトを合成した。それをDNA合成機を用いて、8メトキシグアニンを16番目にいれた30merのDNAテンプレートを合成した。また同じ位置に8オキソグアニンを入れたDNAを別途購入した。8メトキシグアニンから光反応と加熱反応によりオキサゾロン入りオリゴマーを生成させ、HPLCにより2段階の精製を試みた。収率は1%強であった。グアニジノヒダントイン入りオリゴマーは8オキソグアニンからイリジウム酸化により生成させ、HPLCにより1段階の精製を試みた。収率は10%強であった。これら調製したDNAテンプレートに、RIラベルした15merのDNAプライマーとデオキシヌクレオチド3リン酸を1種類加え、DNAポリメラーゼγ、εやDpo4により取り込み反応を行った。その結果をポリアクリルアミドゲル電気泳動で解析した。1種類の塩基取り込みについては、シトシン以外の塩基を取り込むという結果が出た。しかしながら、ポリメラーゼの種類によっては、取り込まれる塩基の種類に違いが見られた。伸長反応については、同様の実験系にデオキシヌクレオチド3リン酸4種類全てを用いて行った。その結果、いくつかの塩基がとりこまれ、その後損傷を乗り越えてDNAが全長の長さまで伸長されることが判明した。このことにより、解析したDNA損傷は全て突然変異能をもつことが証明された。なお、RI施設は現大学RI施設を使用した。
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