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2006 年度 実績報告書

三元素系複合含水酸化物を用いた環境低負荷型水質浄化材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17710063
研究機関島根大学

研究代表者

桑原 智之  島根大学, プロジェクト研究推進機構, 研究員 (10397854)

キーワード含水酸化物 / 環境材料 / 水質浄化 / 無機材料 / 吸着
研究概要

本研究は,希少資源を消費することなく高性能で環境安全性の高い吸着材(複合含水酸化物)を開発することを目的に,クラーク数で上位に位置する3種類の金属元素を組み合わせた三元素系複合含水酸化物を合成し,水質浄化材料としての適用を目指した。平成18年度は,ケイ素(Si),鉄(Fe),マグネシウム(Mg)の三元素からなる複合含水酸化物を,各金属元素比を変えて合成し,構造解析,基礎的な吸着特性を評価した。本年度は,Si,アルミニウム(Al),Mgからなる三元素系複合含水酸化物の合成と合成した試料の構造解析,基礎的な吸着特性を評価する予定であったが,Si-Fe-Mg系複合含水酸化物試料を大量合成し,吸着能力の変化・強化を目的に焼成した。各焼成温度で得られたSi-Fe-Al系酸化物の構造特性を評価した。詳細は以下の通りである。
1.【Si-Fe-Mg系試料の構造特性】
粉末X線回折(XRD)の波形は,未焼成試料では非晶質でピークがない。焼成温度を上げる程,XRDの波形ははっきりとしたピークが認められるようになった。焼成することによりできた物質は,ヘマタイト(赤鉄鉱)を含む資料であった。
2.【Si-Fe-Mg系試料の吸着特性】
有害イオン(フッ化物,ホウ酸,ヒ酸,亜ヒ酸,セレン酸,亜セレン酸,リン酸,アンモニウム,鉛,カドミウム)を対象に,Si-Fe-Mg系試料の基礎的な吸着能力をバッチ法により評価した。その結果,各種イオンに対する吸着速度は速く,概ね24時間で吸着平衡に達した。Mg比の高い試料ほど陰イオン吸着性に優れ,Si比が高い試料ほど陽イオン吸着性に優れた。さらに,Fe比が高い試料では特にヒ酸,亜ヒ酸,リン酸イオンを選択性に吸着することが明らかになった。これより,組成比の制御(組成変換)により特定イオンに対する吸着能力を向上できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Removal Characteristics of Phosphate and Nitrate Ions with an Mg-Fe-Al-Cl Form Hydrotalcite2007

    • 著者名/発表者名
      KUWABARA TOMOYUKI
    • 雑誌名

      Journal of The Society of Inorganic Materials, Japan 326

      ページ: 17-25

  • [雑誌論文] 有害イオン除去材料としてのSi-Fe-Mg系複合含水酸化物の合成とキャラクタリゼーション2007

    • 著者名/発表者名
      桑原 智之
    • 雑誌名

      Journal of The Society of Inorganic Materials, Japan 327

      ページ: 104-113

  • [雑誌論文] 合成Si-Fe-Mg系複合含水酸化物のイオン吸着特性2007

    • 著者名/発表者名
      桑原 智之
    • 雑誌名

      水環境学会誌 30(3)

      ページ: 133-138

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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