自己組織化ナノ粒子薄膜中へ発光中心としての半導体ナノ粒子を分散させたナノ粒子複合薄膜を作製し、周りの金属ナノ粒子との相互作用による発光特性への影響に着目した。 用いたナノ粒子は金ナノ粒子及び半導体ナノ粒子(CdSe/ZnSコアシェルナノ粒子)である。金属ナノ粒子とCdSe/ZnSコアシェルナノ粒子数の比は混合比により調整を行い、LB法を用いて石英基板上へ作製し、良質な単層複合薄膜を得ることが可能となった。 複合薄膜の吸収スペクトルにおいては、ほぼ金属ナノ粒子の吸収スペクトルの形状を反映しており、600nm近傍に表面プラズモンの共鳴ピークが観測される。この表面プラズモン共鳴励起とバンド間励起を行い、発光測定を行った。発光は615nmにピークを持つCdSe/ZnSナノ粒子からの発光が観測される。トルエン溶液中のCdSe/ZnSナノ粒子における発光スペクトルと複合薄膜における発光スペクトルに差は見られなかった。しかしながら、発光強度に関しては、混合濃度比依存が観測された。また、エネルギー緩和に関する知見を得るために、発光の時間分解分光を行った。その結果、フェルスター機構によるものと考えられる緩和寿命の変化を観測した。
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