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2007 年度 実績報告書

銅アセチリド分子の自己組織化を用いたナノワイヤー合成法の確立と応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 17710080
研究機関分子科学研究所

研究代表者

十代 健  分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (60317302)

キーワードナノワイヤー / 自己組織化 / 銅アセチリド / クラスター
研究概要

本年度は銅アセチリドナノワイヤー・ナノケーブルの電気伝導特性を活用した応用展開に向けた研究を行った。昨年度までに確立した銅アセチリド分子の自己組織的な性質を利用したナノワイヤー合成方法と真空中における熱アニーリングによる爆発性を活用したナノケーブルへの変換過程は、共に非常に簡便な手法であるため、材料としての性質を見出すことは実用化に向けて非常に重要である。
熱変換した銅アセチリドナノケーブル粉末を圧縮成型しペレット状にしたものの電気伝導特性を測定したところ酸素分子の吸脱着により、伝導度が1桁以上も変化することを見出した。酸素分子の吸脱着は室温で進行しており、銅アセチリドナノケーブルが室温において酸素センサーとして働くことを意味する。室温における吸脱着過程は一般に物理吸着と考えられ、そのような弱い相互作用で電気伝導度を変化させる機構の解明を行った。
電気伝導度の温度特性を詳細に調べることで、局在化したホールが可変領域ホッピングにより伝導していることが明らかとなり、電子スピン共鳴法を用いることで、酸素分子が局在化したホールと相互作用していることも判明した。つまり、ホッピング伝導であるため、弱い相互作用でもホッピング確率が大きく変化することができたといえる。ナノ物質の一般的な電気伝導であるホッピング伝導が、従来のバンド型伝導では不可能であった室温より低温での酸素センサーなど、新規な材料特性を見出せることを示すことができた。
本研究は、J. Am. Chem. Soc.誌に掲載され、高い評価を受けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Increased Electric Conductance through Physisorbed Oxygen on Copper Nanocables Sheathed in Carbon2008

    • 著者名/発表者名
      K. Judai, S. Numao, A. Furuya, J. Nishijo, N. Nishi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 130

      ページ: 1142-1143

    • 査読あり
  • [学会発表] 物理吸着酸素による銅アセチリドナノケーブルの電気伝導変化2007

    • 著者名/発表者名
      十代 健、沼尾 茂悟、西 信之
    • 学会等名
      第1回分子科学討論会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] 銅アセチリドナノケーブル固体による室温酸素センサー2007

    • 著者名/発表者名
      十代 健、西 信之
    • 学会等名
      ナノ学会第5回大会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2007-05-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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