研究課題
二年目は現有のCVDチューブ生成装置を用いて二層カーボンナノチューブの生成を継続し、前年度とは生成条件を変更して得られたチューブの精製を既存の設備を用いて行って高純度の二層ナノチューブ試料を得る事を試みた。その結果、炭素源として用いる炭化水素ガス、コンディショニング触媒、そして触媒担持用酸化マグネシウム粉体の条件を厳密に制御する事で、さらなる高純度、低汚染の試料を得る事に成功した。これらの試料を硝酸処理、超音波分散、酸化の過程を繰り返す事で高純度の二層ナノチューブ試料を得る事に成功した。高純度化された二層チューブをTEM、SEM,ラマンを用いて分析した結果、構造の欠陥が少なく、良好なバンドル構造を有している事が明らかになった。得られた高純度DWCNTへのホウ素ドーピングを試みた。燃焼管内でDWCNTとボロン含有試薬を加熱し、ドーピングを行った。この際に、DWCNTと試薬の混合比率を変化させ、DWCNTへのボロンドープ量の調整を試みた。得られたボロンドープサンプルに対して現有設備のフォトルミネッセンス測定装置を用いて特性の変化をとカイラリティの変化を探った。また、フッ素をドープしたDWCNTサンプルについても同様の計測を行った。その結果、フッ素ドーピングにより外層のシグナルが消失する事が明らかになった。ホウ素ドーピングによる影響はPL上に明確には出てこなかった。この事からチューブの半導体的性質にはホウ素が大きな影響を及ぼさない事が明らかになった。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Small Vol. 2, No. 8-9
ページ: 1031-1036
Carbon Vol. 44
ページ: 1130-1136
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 45, No. 6A
ページ: 4883-4892
Journal of the American Chemical Society Vo1.128(39)
ページ: 12636-12637