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2006 年度 実績報告書

強磁場・極低温環境を用いたサブミクロン分解能を持つMRI顕微鏡の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17710097
研究機関京都大学

研究代表者

上野 智弘  京都大学, 医学部(保健学科), 助手 (10379034)

キーワードMRI顕微鏡 / 超低温 / 高磁場 / 3He-4He混合液体
研究概要

1μm×1μm×1μmの3次元解像度の達成を目標にして、MRI顕微鏡の開発を行なっている。より高い解像度を得るためには、信号雑音比の向上が最重要である。そこで、超低温、高磁場の極限環境を駆使し、高い信号雑音比の達成を目指している。また、新たなパルス系列や強磁場勾配を開発することで、スピン拡散の効果の抑制も行っている。平成17年度に、磁場を0.33Tから0.92Tに高め、磁場勾配を0.25T/mから0.5T/mに向上させることにより、2次元解像度を、6μm×6μmに改善できた。本年度はさらに高解像度が得るため、新たな試料容器を製作した。新しい試料容器では、信号雑音比をさらに向上させるため、磁場を0.92Tから7Tに高め、磁場勾配を0.5T/mから2.0T/mに向上させた。高磁場化に伴い、共鳴条件に必要とされるインダクタンスが小さくなる。また、同軸等にある浮遊のキャパシタンス成分や抵抗成分の影響を受けないようにするため、低温部でLC共鳴させた。これは、回路のQ値の向上のためにも不可欠である。さらに、Filling Factor向上のため、直径200μmの細いチューブ内の相分離界面の可視化することにした。そのため、界面位置の正確な制御が重要となり、ポジショニングシステムの導入を行なった。次にこの新しい試料容器を用いて、より高い解像度を持つMRI顕微鏡の開発を行なった。幾何学的に直交させた送信用コイルと受信用コイルが小さく結合していた。直径200μmのチューブとバルクの体積比が大きく、小さな結合にも関わらずチューブ以外の信号が漏れ込むことになった。また、磁場勾配のz方向成分が破損し、チューブの断面の画像を高解像度で撮影することができなかった。2つの問題点を解決し、開発を進めた。また、濡れ転移と縦磁化の表面緩和の関係を調べるため、チューブ内の混合液体のスピン拡散係数と縦磁化緩和時間の測定を行った。拡散係数は1相状態のものが得られているにも関わらず、縦磁化緩和時間に大きなヒステリシスが観測された。これは、チューブ表面の状態にヒステリシスがあることを示唆している。高分解能の画像を撮影することにより、この問題が解決できると考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] MRI顕微鏡2007

    • 著者名/発表者名
      上野智弘
    • 雑誌名

      日本臨床(分子イメージング特集号) 65・2

      ページ: 287-292

  • [雑誌論文] 3He-4He混合液体相分離界面の精密測定のためのMRI顕微鏡の開発2007

    • 著者名/発表者名
      上野智弘, 水崎隆雄
    • 雑誌名

      第23回宇宙利用シンポジウム会議録 23

      ページ: 238-240

  • [雑誌論文] MR工顕微鏡による直径20 μm円筒中の3He-4He混合液体の相分離面の画像化2007

    • 著者名/発表者名
      小川俊彦, 陳夢元, 上野智弘, 福田耕治, 佐々木豊, 水崎隆雄, 松原明
    • 雑誌名

      日本物理学会講演概要集 62・1

      ページ: 800

  • [雑誌論文] Schottky Anomaly Observed in NMR of Metallic Si : P2007

    • 著者名/発表者名
      M.Jeong, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of the MAR07 Meeting of The American Physical Society R1

      ページ: 294

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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