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2006 年度 実績報告書

三次元的にオーダーされたナノ複合材料の設計と機能

研究課題

研究課題/領域番号 17710109
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

渡邊 宏臣  独立行政法人理化学研究所, トポケミカルデザイン研究チーム, 研究員 (30373385)

キーワードナノシート / 光機能性薄膜 / ナノ複合材料 / 表面ゾル-ゲル法 / 表面イメージング
研究概要

本研究は、"表面イメージング法"と"表面ゾルーゲル法"を組み合わせることによる三次元的にオーダーされたナノ複合材料の設計を目的としている。今年度は、昨年度得られた"光照射によって位置選択性を発現するナノシートの作製"、並びに"作製したナノシート表面への有機低分子化合物の付加"の知見を基に、その積層化についての研究を行った。積層化について、まずはスピンコート法により積層化を行った。"光反応性無機層の作製"と"光照射とそれに続く色素分子の表面への固定"を数サイクル繰り返し、UVや蛍光スペクトル、さらには蛍光顕微鏡により評価を行ったところ、各層の色素の吸収ならびに発光が独立して観察された。スピンコート法により得られる層の厚さは20nm程度と厚いため、色素がきちんと固定化されている限り、各層の色素間の電子的あるいはエネルギー的相互作用が起こり得ない。このことから、各層内の位置選択性は失われることなく、独立した機能層を積み上げることに成功したと結論づけられる。
続いて、同じことを表面ゾルーゲル法により行った。まず始めにローダミン色素を包括した層を作製し、その上にフルオレスカミン色素を包括した層をさらに積層する。このとき、中間層として光化学的に不活性なジルコニア層を間に挟む。ローダミンとフルオレスカミン間のエネルギー移動は、それぞれの層間の距離に依存するため、中間層であるジルコニア層の厚さを変えることによりその挙動を調べた。この結果、ジルコニア層の厚さが25Å程度で急激にエネルギー移動が観察されなくなった。この系における消光半径は均一系で約30Åであるので、この結果は均一系のそれとほぼ一致し、また縦方向の位置が合わない系でもエネルギー移動が起こらなかった。このことから、表面ゾル-ゲル法と表面イメージング法を併用することにより、位置選択性を有した機能層を、ナノメートルオーダーで精密に積層することが確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 3-D Segmentation of Nano-composite Materials by using LbL and Surface Imaging2007

    • 著者名/発表者名
      Hirohmi Watanabe
    • 雑誌名

      Langmuir (in press)

  • [雑誌論文] A Large, Free-Standing Membrane of Epoxy Resin with 20-nm Thickness2007

    • 著者名/発表者名
      Hirohmi Watanabe
    • 雑誌名

      Advanced Materials (in press)

  • [雑誌論文] Fabrication of large, robust nanomembranes from diverse, cross-linked polymeric materials2007

    • 著者名/発表者名
      Hirohmi Watanabe
    • 雑誌名

      Macromolecules (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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