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2006 年度 実績報告書

静電トラップ法を用いた極性分子接合の作製とその電気伝導特性評価

研究課題

研究課題/領域番号 17710110
研究機関独立行政法人情報通信研究機構

研究代表者

野口 裕  独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門未来ICT研究センターナノICTグループ, 有期研究員 (20399538)

キーワード単一分子トランジスタ / 単一電子トランジスタ / 静電トラップ / ナノギャップ電極 / 非弾性トンネルスペクトル
研究概要

今年度は、ポルフィリン誘導体を用いた分子接合にっいて、素子作製に関する統計データと、対応する電気伝導特性をまとめ、その成果を国際会議(SSDM2006、ICNME2006)で発表した。内容は論文誌(英文)に掲載される予定である。また、ゲート絶縁層上に形成したナノギャップ電極間をカーボンナノチューブ(SWNT)やオリゴチオフェン誘導体(3T)で架橋させることによりトランジスタ構造を作製し、その電気伝導特性および温度依存性を11Kから300Kの間で測定した。
まず、SWNTを測定対象として試料を作製した。SWNTを微量分散させた溶液をソースーゲート電極間に交流電圧(正弦波、5MHz、1.OV_<p-p>)を印加しながら滴下し、乾燥させた。その結果、単一もしくは少数のSWNTがナノギャップ電極間を横切るように架橋した構造を作製することができた。試料の電気伝導特性を測定したところ、低温で単一電子トランジスタ(SET)特性を得た。電気伝導特性は顕著な温度依存性を示し、SET特性は100K程度で消失した。室温ではドレイン電流-ドレイン電圧特性は線形で、ゲート電圧に依存しなかった。したがって、ナノギャップ電極間にトラップされたSWNTは金属性で、電極との接触において接合容量が形成され、低温でクーロン島として機能したものと考えられる。これらの成果を国際会議(ASIANANO2006、JAPANNANO2007)で発表し、論文としてまとめた。
次に、同様の手法を一般的な低分子材料に応用するため、3Tを用いてナノギャップ電極を架橋させることを試みた。作製した試料の非弾性トンネルスペクトルを11Kで測定したところ、3T特有の分子振動と対応させることができた。すなわち、3Tをナノギャップ電極間にトラップすることができたものと考えられる(JAPANNANO2007で発表)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ナノギャップ電極を用いた有機単一電子トランジスタの作製とその電気伝導特性2007

    • 著者名/発表者名
      野口 裕
    • 雑誌名

      Telecom Frontier 54

      ページ: 16-23

  • [雑誌論文] 有機単一電子トラノンジスタの作製2006

    • 著者名/発表者名
      野口 裕
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 106

      ページ: 27-31

  • [雑誌論文] Observation of negative differential resistance and single-electron tunneling in electromigrated break junctions

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Noguchi
    • 雑誌名

      Thin Solid Films (to be published)

  • [雑誌論文] Fowler-Nordheim Tunneling in Electromigrated Break Junctions with Porphyrin Molecules

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Noguchi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics (to be published)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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