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2005 年度 実績報告書

増感分子の多光子励起を利用した導電性ポリマーの光重合と微細加工

研究課題

研究課題/領域番号 17710118
研究機関東京工芸大学

研究代表者

山田 勝実  東京工芸大学, 工学部, 助教授 (70277945)

キーワード多光子吸収 / 導電性ポリマー / 光造形 / 微細加工 / フェムト秒レーザー
研究概要

平成17年度は二つの課題に取り組んだ。
1.光増感分子への赤外光照射によるピロール重合の確認
トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム錯体、メチルビオローゲン、テトラフルオロホウ酸リチウムおよびピロールを含んだ水溶液に、ガラス板を析出基板として浸し、その表面にフェムト秒パルスレーザーを集光照射することで、スポット状の析出物力が得られた。析出物と電解重合したポリピロールを赤外分光スペクトルで分析・比較した結果、ほぼ同形のスペクトルが得られたことから、赤外光の照射によりポリピロールが形成したと結論づけた。ルテニウム錯体は赤外領域には吸収を持たないため、赤外光では励起できない。ところが、本研究で用いた高強度フェムト秒パルス光(800nm)によって、ルテニウム錯体の蛍光が得られ、二光子過程での励起を確認した。その励起状態から、メチルビオローゲンへの光誘起電子移動およびピロールの酸化重合が起こっているものと考えられる。
2.重合溶液の組成の最適化および露光条件の確立
まず、重合溶液の組成について検討した。その結果、光増感分子のトリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム錯体は使用した水溶液に5mM程度溶解するが、通常の光照射では、この濃度では濃度消光が生じる値であるが、多光子過程での励起ではそれは生じなかった。従って多光子過程を利用する場合ではこの濃度のルテニウム錯体溶液を用いることができる。ピロールモノマーの濃度に関しては、高濃度で用いた場合はピロールの直接励起を防ぐことが困難になること、ルテニウム錯体がピロール相に溶け出してしまうなどの理由から、比較的低濃度(数百mM)で用いることが重要である。このほか、露光条件に関してもいくつかの重要な知見が得られた。
これらの成果は、既に二つの国内学会で講演発表を行い、論文発表に関しては現在投稿準備中である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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