研究概要 |
昨年度に得られた以下の項目に関する成果に基づき、機能デバイスへの展開と特性確立のための物性の理解を深めるべく研究を推進した。 1)有機原材料および炭化プロセスに関する検討と知見の確立 2)パイロポリマーに関する基礎特性評価 3)有機微細構造の形成技術に関する検討と技術の確立 機能デバイスとしてカーボン材料のガス吸着性を活かしたガスセンサや炭素電極が用いられている電気化学の分野における機能電極を取り上げ、パイロポリマーの応用について検討を進めた。 ガス(NO_2)センサについては、初年度の基礎特性評価で得られた知見と手法を用いて材料の改良を試みることにより、特性評価を行い、その成果は電気学会論文誌に投稿し4月号への掲載が決定している(パイロポリマーの電気特性におけるNO2ガス吸着効果・中圭介、橋新附、玉置純、小西聡・電気学会論文誌・Vol.127,No.4(掲載決定))。 電気化学分野応用に関しては、三次元微細メッシュ構造を有した流路構造の実現に成功し、電気化I学センサとしての有効性を確認した。三次元メッシュ有機構造を炭化し、その後にポストプロセスとしてSU-8の流体構造の形成を可能とした点は、今後のμTAS分野への応用展開が期待できる成果といえる。 パイロポリマー超微細構造創製のナノ加工技術による展開としてナノストライブ電極構造のS/N比向上への寄与を実証した。また物性に関する研究では、ヨウ素ドーピングによる炭化処埋温度と半導体特性との関係を明らかにし、ヨウ素ドーピングが脱水素化に寄与することの可能性を確認するなど、当該分野の基礎的な埋解を深めることにも取り組んだ。以上の成果は、国際会議で3件の論文採択・発表に至っており、学術論文として随時発表予定である。
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