研究課題
テクノロジー・イノベーションと市場情報の両方を視野に入れた戦略的な製品開発を行うための製品開発戦略概念の構築を研究の目的としている。平成17年度では、これらを達成するための基礎的な項目のレビューと現在の市場状況の確認、特にケースとして取り扱う市場を重点的に観察した。はじめに"MOTのレビュー"と"現在の市場の分析"によって、製品開発戦略概念の構築に向けた基礎的な項目の再確認、および革新的な製品の分析を行った。現在の市場に投入されている製品を分析することにより、市場で認識される革新的製品とはどのような特徴を持っているのか、について調査・分析を行った。結果として、市場投入された製品が顧客によって、それらが革新的製品であると認識されるために必要な3つのファクター(1.製品の性能と機能 2.新製品を投入する速度 3.他の競合製品に対する影響)を提示した。顧客はこれらのファクターによって店頭商品の革新性を評価しているのである。ケーススタディの分析結果として、業界はデジタルカメラの国内市場を選定し、この市場に対する戦略概念の適用と分析を行なった。そして、デジタルカメラの市場では、"新製品の投入速度"が速く、"他の競合製品に対する影響"が強い企業のマーケットシェアが大きい、という特徴があるということが明らかになった。つまり、実際に革新的製品を開発している企業に適用することの可能な実用的な製品開発戦略の提示を行ったこととなる。平成18年度には、近年の市場特徴のひとつとして認識される、急速に変化する顧客の好みに適合するための、製品開発戦略を提示するために、新たに示した3つのファクターの再確認とそれらの詳細な分析を行う。そして、ケーススタディについても、革新的な市場における具体的な製品開発戦略の提示を可能にするために、観察対象市場における参入企業と投入製品のより詳細な分析を継続的に行っていく。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Proceedings of the 12th International Product Development Management Conference, IPDMC. Part 2
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Proceedings of the 14th International Conference on Management of Technology in Collaboration with the United Nations Industrial Development Organization, IAMOT&UNIDO.
Proceedings of the 1st International Conference /Workshop on Business, Technology and Competitive Intelligence, and the 5th on science to Business Marketing.
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