研究概要 |
実用性を重視したモデルとして提案した容量下限制約付きハブネットワークデザインモデルの研究成果をJournal of Operations Research Society of Japanに発表した(論文タイトル:Hub network design model in a competitive environment with flow threshold). さらに,2004年度から研究を続けている競合を考慮したハブアーク配置モデルについて,分枝限定法の下界値の改良を行ってきたが,現在のところ,計算時間の面において十分な結果が出ていない.引き続き,新たな下界値の計算方法を検討中である.これまでの研究成果をハワイで開催されたIFORSで発表した(発表タイトル:Hub arc location problems in a competitive environment with flow threshold). また,近年,ハブを持たない航空会社が大成功を収めている事例を鑑みて,ハブを設定することを前提としない航空ネットワークデザインモデルについても検討をはじめた.競合を考慮したモデルも含め,複数のモデルを考え,それぞれ定式化を行った.ここまでの成果をスペインで開催されたISOLDEで発表した(発表タイトル:Airline network design model). ハブアーク配置モデルおよび航空ネットワークデザインモデルについては,競合を考慮したモデルとして研究を進めてきたが,実行可能解を見つけることも困難であり,解の性質を見出すことも厳しいことがわかった.現在は,最適なネットワークの性質を分析することを重視し,まずは競合がない場合のネットワークデザインモデルについて検討することが必要であると考えており,これまでに提案してきたモデルの解法の見直しとともに,競合のないモデルについても検討を始めている.
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