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2007 年度 実績報告書

表層雪崩発生予測を目的とした積雪の安定度推定手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17710159
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

竹内 由香里  森林総合研究所, 十日町試験地, 主任研究員 (90353755)

キーワード表層雪崩 / 妙高 / 幕の沢 / 雪崩発生モニタリング観測 / 積雪安定度
研究概要

新潟県妙高山域に位置する幕の沢は,冬期の最大積雪深が4m以上になる多雪地である上,傾斜が沢の上流ほど急になり,源頭部では35〜40度と表層雪崩が発生しやすい地形になっているため,流下距離が2000〜3000mに達する大規模な雪崩がしばしば発生している.そこで本研究では,大規模な雪崩の発生条件を明らかにする目的で,幕の沢に雪崩発生検知システム,地震計およびビデオカメラを設置して雪崩のモニタリング観測を継続してきた.併せて雪崩堆積域近くの平坦地において気温,降水量,積雪深を1時間間隔で測定し,積雪断面観測も適宜実施してきた.これらのデータは,気象庁や他機関の気象観測点が少なくデータが乏しい多雪地域の山地で得られたものであるので,とりまとめて「森林総合研究所研究報告」に公表した.さらに,今冬期に幕の沢で発生した大規模な乾雪表層雪崩を検知することに成功した.この雪崩は2008年2月17日13時48分頃に発生したことが地震計の記録とビデオカメラの映像により確かめられた.そこで気象データにより積雪安定度の変化を推定し,滑り面となった積雪層の形成過程を解析するとともに,雪崩堆積量,到達距離についての現地調査を行なった.一般に,表層雪崩の発生危険度の目安となる斜面積雪安定度を算出する際には,せん断強度を平坦地の積雪密度から推定することが多いので,斜面と水平面の密度の関係を明らかにすることが必要である.そこで低温実験室内の人工降雪や露場における自然降雪について斜面傾斜による初期密度の比較を行なった.その結果,傾斜と初期密度の関係には降雪時の気象条件が大きく関わることが示唆された.さらにデータを増やして検討する必要がある.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 妙高・幕の沢における積雪・気象観測資料(2000年〜2007年8冬期)2007

    • 著者名/発表者名
      竹内由香里
    • 雑誌名

      森林総合研究所研究報告 6

      ページ: 253-312

    • 査読あり
  • [学会発表] 新潟県上・中越地方の冬期降水量と気温および風向の関係2007

    • 著者名/発表者名
      竹内由香里
    • 学会等名
      2007年度日本雪氷学会全国大会
    • 発表場所
      富山市
    • 年月日
      2007-09-27
  • [学会発表] High correlation between winter precipitation and air temperature in heavy-snowfall areas in Japan2007

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi, Yukari
    • 学会等名
      International Symposium on Snow Science
    • 発表場所
      モスクワ
    • 年月日
      2007-09-07
  • [学会発表] 2005/06年冬期の積雪硬度の増大と気象条件の関係2007

    • 著者名/発表者名
      竹内由香里
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2007年大会
    • 発表場所
      千葉市
    • 年月日
      2007-05-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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