ユーカリゲノムにおけるHis-Aspリン酸リレー関連因子遺伝子ファミリーの構造を把握するため、ユーカリゲノムプロジェクトにより蓄積されたゲノム塩基配列について類似性比較による検索をおこない、His-Aspリン酸リレー関連因子の遺伝子配列情報を抽出した。検索の結果、18ヒスチジンキナーゼ、4ファイトクロム、14HPtドメインタンパク質、44レスポンスレギュレーターの遺伝子候補配列が得られた。17のレスポンスレギュレーターについては、レシーバードメインのC末端領域にDNA結合ドメインが存在することから、転写因子として機能することが推測される。次に、4種類のcDNAライブラリーを、茎頂含む地上部先端組織、葉(成葉、幼葉混在)、水耕栽培により伸張させた根を材料として用い、作成した。これらのライブラリーをもとに10万クローンからなる3次元的プール構築を進めている。3万7千クローンについてはプールの構築を完了した。ゲノム配列の遺伝子配列情報よりデザインしたプライマーセットをPCRスクリーニングに用いることで、このプールから2遺伝子のファイトクロムホモログ、3遺伝子のサイトカイニンレセプターホモログ、2遺伝子のエチレンレセプターホモログが単離された。残りの6万3千クローンの3次元的プールについては4月末に構築完了予定であり、引き続きHis-Aspリン酸リレー関連因子の遺伝子スクリーニングとcDNAクローンの構造決定を進める。
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