名古屋市内に事務所をもち、東海地方在住のフィリピン人の代表的コミュニティとなっているFMC (fillipino migrants center)を対象に調査を行い、そのなかでもとくにフィリピン女性がどのような岐路を辿って定住に至っているのか、またどのような生活上の困難に直面しているのかについて考察した。女性たちにインタビューを行い、ライフヒストリーの聞き取りを行い、成果を得た。 またもう一つの焦点である「人身売買」の問題についても調査を行った。人身売買に関する国内で唯一の包括的グループであるJNATIP (japan network against traficking in persons)の活動についてフィールド調査を行った。またその関連で、人身売買被害女性をまず受け入れる立場にある女性相談所の調査も行った。具体的には愛知県・岐阜県・三重県の婦人相談所である。婦相で被害女性を受け入れる上でどのような問題が生じているのかについて詳細に考察した。 そのほかには、ジェンダーと交差するナショナリズムやレイシズムの問題について様々に調査・研究を進めた。具体的には来日したタイ人女性が日本人男性とのあいだにもった子どもたちの状況について調べた。子どもたちを支援するタイ国内の日本人女性グループに聞き取り調査を行い、貴重な成果を得ることができた。
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