最終年度である平成19度は、前年度までの調査の補足や収集した資料の整理と、調査を行った資料の公開のための準備を行った。 特に、昨年度はこれまで未調査であった泉涌寺仏殿三世仏(釈迦如来坐像、弥勒如来坐像、阿弥陀如来坐像)の調査を実施したが、目視による観察のみでは構造の詳細が不明であった。そのため、あらたにX線透過撮影を実施し、基礎資料の作成につとめた。また撮影画像のデジタル化を行い、画像資料公開に向けての準備をおこなった。 像そのものは江戸時代の再興像である可能性が高いが、日本における三世仏の信仰は泉涌寺に特徴的なものであり、中国における三世仏信仰に照らしながらその意味を考える必要がある。そのため、宋代中国における三世仏の信仰に関する資料の収集につとめ、考察のための基礎的な情報収集を行った。 また、これまでに収集した画像資料などは、所属機関の画像検索システムに登録し、公開にむけての準備をおこなった。
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