研究課題
ゲーテが監督官を勤めたイェーナ大学附属天文台の気象観察記録を中心に、欧州に広がる観測ネットワークについて調査・分析をすすめた。 18世紀以来の課題であった地球の形状と凹凸に関する議論、その解決のために欧州各国が行った観測隊派遣などにも視野を広げ、「氷河」や「氷山」などのモティーフにも注目しながら、資料収集を行った。他方、同時期のゲーテやJ・パウルを筆頭とする作家と自然科学者との交流関係、また散文および韻文作品に登場する天文学、数学および気象学の要素に注目し、作品を相互に比較・検討した。この関連から、日本語論文『《三角測量》試論』では、フランス革命直後に着手された「メートル」制定のための子午線計測を起点に、ドイツにおける測地・測量学をテーマにした文学作品の比較・考察を行った。この関連で、実在主人公のひとりとして登場するドイツ人数学者ガウスの天文および測量学分野での貢献にも注目した。このテーマに近代日本の山岳測量史を関連づけて、12月にオーストリア・ウィーンでドイツ語による発表を行った。発表原稿はWeb上で公開される学術雑誌TRANSに近く公開予定、完成稿は提出済みである。なお、研究開始初年2005年度に行ったゲーテの主要な自然観「分析と総合」をテーマにしたIVGでの発表が書籍化・刊行された。今年度までの研究成果については、引き続き2008年内に論文としての発表を予定している。
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Akten des XI. Internationalen Germanistenkongresses paris 2005.《Germanistik im konflikt der kulturen》(学会論文集、スイス・Peter Lang社から刊行) 7
ページ: 303-310
慶應義塾大学商学部50周年日吉記念論文集
ページ: 29-40
http://k-ris.keio.ac.jp/Profiles/0050/0007200/profile.html