• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

21世紀中国大衆消費社会における文学現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720073
研究機関早稲田大学

研究代表者

高屋 亜希  早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20277784)

キーワード中国現代文学 / 中国大衆文化 / 中国サブカルチャー / 日中相互イメージ
研究概要

本年度は本研究課題を行う最終年度にあたり、研究成果報告書『21世紀中国大衆消費社会における文学現象の研究』を刊行した。また21世紀以降の同時代中国における文化・社会現象について、広範な見取り図となる基礎研究資料『Chinese Culture Review(中国文化総覧)』vol.4を翻訳・出版した。現在、 vol.5の翻訳作業を進めており、今後もこの分野の研究情報プラットフォーム構築に努める予定である。
本研究課題では、急激な大衆消費社会化が進行する21世紀中国で、文学というジャンルがどう意味づけを変え、他のジャンルや海外文化とどう関連しているかを調査し、研究を行ってきた。本年度は市場化が本格化した1990年代以降、市場を利用しながら若者サブカルチャーをリードしてきた、1970年代生まれの世代が果した文化的役割について考察した。その具体的研究の成果として、「慕容雪村『成都よ、今夜は俺を忘れてくれ』試論」および「「七〇后」とボヘミアン幻想の終焉」の論文2本を発表した。
それ以前には社会主義体制を支える一員として、その社会的役割が国によって決められ固定されていた状況が、市場化とともに個人の意志で、転職など社会的役割を変えることが1990年代半ばから可能になった。こうした社会変化を背景に、当時、20歳代だった1970年代生まれの若者がビート文学や海外サブカルチャーなどを参照しながら、例えばバックパック旅行など、自由な移動に強い志向を持つ若者カルチャーを形成してきた経緯、およびそれらがインターネットの普及と結びつくことによって、1990年代末から21世紀初頭にかけて、アングラから一気に社会の表層に躍りでてきた、文化現象の一端が明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「七〇后」とボヘミアン幻想の終焉-馬[馬華]事件の余白に寄せて2008

    • 著者名/発表者名
      高屋亜希
    • 雑誌名

      『21世紀中国大衆消費社会における文学現象の研究』(科研費研究成果報告書)

      ページ: 5-23

  • [雑誌論文] 慕容雪村『成都よ、今夜は俺を忘れてくれ』試論-「欲望」と「虚無」のリアリズム2007

    • 著者名/発表者名
      高屋亜希
    • 雑誌名

      『中国文学研究』 第33期

      ページ: 44-59

    • 査読あり
  • [図書] 『Chinese Culture Review(中国文化認覧)』vol.42007

    • 著者名/発表者名
      高屋亜希・千田大介監訳
    • 総ページ数
      269
    • 出版者
      好文出版

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi