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2005 年度 実績報告書

日本語とチャモロ語の比較対照研究に基づく自然言語の普遍構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17720084
研究機関大阪大学

研究代表者

越智 正男  大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (50324835)

キーワード日本語 / チャモロ語 / 理論言語学 / 統語論 / 普遍文法
研究概要

本研究の目的は、自然言語の普遍構造の解明という言語学の主要課題に対して、日本語とチャモロ語などのオーストロネシア言語族との比較対照研究という手法を用いて研究を行い、理論的に有益な仮説を提示することにある。チャモロ語の基本語順はVSOであると考えられてきたが、最近の研究(例えばChung(1998)等)では、基本語順はVOSであり、しかもSの方がOよりも階層的に高い位置にあると提案されている。日本語が典型的な述部後行型言語(SOVまたはOSV)であるのに対し、チャモロ語は述部先行型言語(VOSまたはVSO)であり、比較対照研究の見地からすれば、Vを軸に反転させたという点を除いて両言語が全く同じ構造を持つという仮説も成り立っ。実際に、V以外の要素については語順に柔軟性を示す点(free word order)など、両者には共通点も多い。しかし両言語に顕著な統語的差異(例えば、wh移動規則の義務的適用の有無など)が存在するのも事実であり、この仮説は入念な検証が必要である。本研究では、このような比較対照研究の成果を基にして、自然言語の普遍構造の解明という重要課題に取り組むものである。
本年度の主な研究内容は以下の通りである。まず、日本語の統語構造についての入念な研究を行った。その結果、日本語の目的語は動詞の補語の位置より格を認可される統語的位置に常に可視的に移動しているという新たな仮説を構築し、関西言語学会等で発表した。また、チャモロ語を中心にオーストロネシア語族の言語に関する文献収集を行った。さらに、米国ハーバード大学へ短期調査のため出張し、数名の研究者より研究に対する助言や共同研究の可能性について話し合った。次年度は、今年度の成果(特に日本語の統語構造に対する新たな仮説)を踏まえたうえで、チャモロ語の統語構造についての仮説を構築するための研究に取り組む。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Overt Object Shift and Defective Intervention Effects in Japanese2005

    • 著者名/発表者名
      Masao Ochi
    • 雑誌名

      自然言語への理論的アプローチ-統語編-

      ページ: 1-12

  • [雑誌論文] Ga-No Conversion and Overt Object Shift in Japanese2005

    • 著者名/発表者名
      Masao Ochi
    • 雑誌名

      Nanzan Linguistics 2

      ページ: 61-80

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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