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2006 年度 実績報告書

日本語とチャモロ語の比較対照研究に基づく自然言語の普遍構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17720084
研究機関大阪大学

研究代表者

越智 正男  大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (50324835)

キーワード日本語 / チャモロ語 / 理論言語学 / 統語論 / 普遍文法
研究概要

昨年度に引き続き、述部先行型の言語(チャモロ語)と述部後行型言語(日本語)の研究を行った。まず、日本語の基本構造についての研究を行った。昨年度の研究により、日本語の目的語は動詞の補語の位置より格を認可される統語的位置に常に可視的に移動している、という仮説を構築したが、今年度はそれをさらに進展させ、主語の統語的位置に関しての研究へと焦点を移行した。その結果、日本語の主語の格の照合位置への移動は可視的である場合と不可視的の場合がある、という仮説を構築するに至った。これらの仮説の検証を多角的見地より行い、その研究成果を第31回関西言語学会シンポジウム「Some Issues in Japanese Syntax」において発表した。また、チャモロ語の句構造に関する研究に本格的に着手した。チャモロ語における主語と目的語の統語的位置関係に関する研究が中心であったが、重要な研究成果が2点あった。(A)主語の統語位置について。Chung(1998)の仮説の検証を出発点とした。Chungによれば、動詞句内に基底生成された主語は格の照合を受ける統語的位置(TPの指定部)へ可視的に移動し、さらにその位置より動詞句内へ可視的に下方移動する(subject lowering)と提案されているが、今年度の研究の結果、主語の特性は下方移動操作を仮定せずに捉えることが可能であり、従ってチャモロ語の主語は派生の最初から最後まで常に動詞句内にとどまって場合もあるという仮説が有力になった。(B)目的語の統語的位置について。日本語の主語の場合と同様に、チャモロ語の目的語は可視的に動詞句の外へ移動している場合と不可視的に移動している場合があるという仮説へ到達した。この仮説によれば、定目的語は可視的に移動し、不定目的語は不可視的に移動していることになる。これらの新たな仮説にもとづいた研究成果を論文にまとめているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Anti-Superiority and Move/Merge into the Edge2006

    • 著者名/発表者名
      Masao Ochi
    • 雑誌名

      言語文化共同研究プロジェクト 自然言語への理論的アプローチ-統語編-

      ページ: 1-12

  • [雑誌論文] Move F and PF/LF Defectiveness2006

    • 著者名/発表者名
      Brian Agbayani, Masao Ochi
    • 雑誌名

      Minimalist Essays

      ページ: 19-34

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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