研究概要 |
本年度は中期朝鮮語の単語結合を収集するために,中期朝鮮語の諸文献を電子テクスト化する作業を行うとともに,その電子テクストをもとに文脈付索引(CD-ROM版)を作成した。この索引は,正順索引と逆順索引からなっており,この索引を用いると,様々な単語結合を考察することができ,どのような単語結合がどのくらいの頻度で現われるかを知ることができる。もちろん,この索引は単語結合研究以外の様々な研究にも用いることができるものである。 具体的に本研究では,中期朝鮮語の文献である『月印釈譜』(1459年)の初刊本の巻十一・二十三・二十五と『法華経諺解』(1463年)の初刊本である巻二から巻七まで,さらに,『禅宗永嘉集諺解』(1464年)の上巻・下巻,および,木版本『榜厳経諺解』(1462年)の巻三から巻十までの入力を終えた。この中で校正作業をほぼ終えた『法華経諺解』の電子テクストをもとに文脈付索引を作成した。他のものについても順次索引を作成していく予定である。作成した索引は,関係者に配布するとともに,インターネットでの公開も検討中である。 さらに,本研究の研究成果として発表した3つの論文を朝鮮語に翻訳し,『15 〓〓 〓〓〓〓〓〓〓〓〓 〓〓(15世紀韓国語の単語結合論研究)』として報告書にまとめ,関係者に配布した。 また,本研究では電子テクストをもとに文脈付索引を作成するプログラムの開発を行った。このプログラムは中期朝鮮語専用ではなく,現代朝鮮語にも応用することができるものであり,用途の広いプログラムとなっている。
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