1.昨年度開始したバリ語中核語彙データベース構築作業を引き続き行った。 2.本研究の大きな特色である、バリ語(特に語彙構造における)の"伝統的共時態"と"脱カースト化"の記述に密接に関わるバリ語とインドネシア語のコード混在現象をテーマとする博士論文を2007年3月に提出した(11.研究発表参照)。その論文では、2言語のコード混在の新しい表示方法を提案し、それを用いながら現地で収集した会話コーパスに現れたコード混在を記述した。そして、分析と考察は、統語的視点と談話分析的視点およびバリ語に特徴的な語彙構造(敬語が関与する構造)的視点からおこなった。 3.インドネシアの言語状況、バリ語を含むインドネシアの地方語およびインドネシア語の語彙・文法や言語使用、そしてそれらの変化などについて、学外のインドネシア語およびインドネシアの地方語の専門家と意見交換・討議を行った。また、2.で述べた博士論文を執筆する過程で、論考の内容に関して学外の研究者と討議をおこなった。 4.語彙研究、言語変化に関わる社会言語学的研究、敬語研究を中心とする論文・報告の資料収集をおこなった。
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